生成AIの社内勉強会を60分で設計する
東海・名古屋の中小企業向けに、生成AIの社内勉強会を60分で設計する方法を解説。説明、実演、演習、共有、安全確認のバランスを整え、社員が翌日から試せる勉強会の進め方を紹介します。
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60分勉強会の到達点と準備物
60分で目指すのは、機能を網羅することではありません。参加者が一つの架空資料を使い、「入力する前に止まる」「出力の根拠を原文で確かめる」「次に試す条件を決める」という一連の動きを経験することです。理解度や業務への適用可否は、この場だけで決めず、終了後の小さな実験で確かめます。
進行役は、投影用画面、時計、付箋、筆記具、観察記録用紙を用意します。演習資料は、架空の会議メモ、架空のお礼メール素材、または社内で利用を明示的に承認された公開情報だけにします。規程の要約を扱うなら、一般公開済みで演習利用の承認を得た抜粋か、演習用に作った架空の規程に限定します。実在する社内規程の原文や抜粋を、そのまま入力してはいけません。
開始前に利用可能な生成AI、入力禁止情報、出力の確認責任、困ったときの相談先を社内責任者と確認します。利用環境が承認されていない、入力範囲が判断できない、画面共有で第三者情報が見える場合は演習を開始しません。
0〜10分:入口で安全と観察点をそろえる
0〜3分は、進行役が「今日は上手な答えを競わず、どこで確認が必要になるかを見つける」と伝えます。参加者は、扱う資料が架空または承認済みの公開情報であることを手元で確認します。
3〜7分は、入力前の三つの停止条件を読み合わせます。個人情報・顧客情報・機密情報が含まれる、利用許可が不明、公開や送信に人の承認が必要なのに確認者が決まっていない。このいずれかに当たれば入力を止め、資料を差し替えます。
7〜10分は二人一組になり、片方を操作役、片方を観察役に決めます。観察役は答えの巧さではなく、「入力前に資料の範囲を確認したか」「AIが原文にない内容を足していないか」「人がどこを直したか」を時刻とともに記録します。
10〜22分:実演は失敗と修正まで見せる
10〜14分、進行役は架空の会議メモを画面に出し、「決定事項、未決事項、担当候補を分け、原文にない内容は推測と明記してください」と入力します。固有名詞や実際の案件名は使いません。
14〜18分は、出力を原文と一行ずつ照合します。担当者が決まっていないのにAIが担当を補ったら、その箇所を消し、「担当未定」と直します。日付や数値も元資料にあるものだけを残します。生成された文章は完成品ではなく、確認対象であることを操作で示します。
18〜22分は、参加者から「入力前」「出力後」「外部利用前」に必要な確認を一つずつ挙げてもらいます。質問への答えが社内ルールに関わり、その場で確定できない場合は、推測で答えず未解決欄に記録します。
22〜40分:一題だけをペアで演習する
22〜25分は資料を選びます。候補は、架空の週次報告、架空の問い合わせへの返信素材、架空の会議メモ、または明示的に承認された公開抜粋です。規程要約を選べるのは、前述の条件を満たす公開抜粋か架空規程だけです。生の社内ルールを持ち込んだ場合は即座に止め、架空資料へ交換します。
25〜31分、操作役は「目的」「参照してよい文章」「出力形式」「推測を分ける指示」を含む入力文を作ります。観察役は、資料と指示の範囲が一致しているかを確認してから実行を許可します。
31〜36分、二人で出力を原文と照合し、事実、提案、判断不能の三種類に印を付けます。根拠が見つからない文は採用せず、重要な判断や対外文面は担当者の確認待ちとします。
36〜40分は役割を交代し、同じ資料で指示を一か所だけ変えます。変えるのは対象読者、文字量、表現の硬さなど一項目に限り、出力の違いを観察します。エラー表示、意図しない情報の露出、利用条件への疑問が出たら操作を中断し、画面を閉じて責任者へつなぎます。
40〜52分:観察記録からデブリーフする
各組は「止まった場面」「原文と違った箇所」「人が行った修正」を一件ずつ共有します。進行役は成功例の発表会にせず、確認が働いた瞬間を板書します。出力内容そのものに入力禁止情報が混じっていた場合は、共有せず責任者に個別報告します。
続いて、なぜその修正が必要だったかを話します。「もっと詳しい指示なら正解したはず」で終えず、資料不足、判断権限、公開前承認など、AIへの指示では解決できない条件を切り分けます。未回答の質問は、質問、確認先、回答期限の三列で残します。
52〜60分:次の実験を一枚にする
52〜56分は、各自が次の一週間に試す候補を一件だけ書きます。記入項目は、対象業務、使う架空または承認済み情報、期待ではなく観察する点、確認者、中止条件です。実データを使う必要がある案はこの場で実行せず、責任者の可否判断を先に置きます。
56〜58分、隣同士で計画を読み合い、「誰が確認するか」「何が起きたら止めるか」が空欄なら追記します。58〜60分、進行役は相談先と記録の置き場を示し、回収した観察記録を次回の題材選びに使います。
最後に、参加者は付箋を机に二枚残します。一枚には「AIに任せてよい下書き」、もう一枚には「人が手放さない判断」を書きます。60分の終点を答えではなく、この二枚の境界線にすることで、次の実験の出発点が目に見える形で残ります。
社内勉強会の設計で悩んでいる場合は、LINE無料登録からご相談ください。参加者の業務に合わせた60分の構成案や演習テーマを一緒に考えます。